ジョージ・アダムスキー「生命の科学」第02課 段落069 [2021-07-14]


069 The King turned to the blacksmith and asked him by what right he seated himself there. With this the blacksmith arose and questioned the other workmen by saying, "who fashioned your trowel and your compass" ? They replied "you did". Then he said, "could you have built this Temple without these ?" Their answer was "no." Then he said, "the honor belongs to me."
069 ソロモン王はその鍛冶屋に何の権利によってそこに座っているのかと訪ねました。すると、鍛冶屋は立ち上がり、他の者たちにこう訪ねたのです、「誰があなた方のコテやコンパスをこしらえたのか?」。彼らは答えた。「お前だ」。すると彼は言った。「あなた方はこれら無しにこの寺院を建てることができただろうか?」。彼らは答えた。「いいえ」。すると彼は言った。「それでは、その栄誉は私のものだ」。




【解説】
前項の続きです。j鍛冶屋は職人や芸術家が用いる道具を作り、その道具を用いなければ上等な仕上がりは出来ない筈で、そういう意味からも鍛冶屋という最も下積みの職人が、この宮殿の建設に貢献したということを皆が認めたという訳です。
こうした自由な発言環境こそ、最も尊ぶべきであり、その場に居た者、全てが鍛冶屋の言い分を認めたところがすばらしいのです。
ドイツでもマイスターをはじめとして職人に対する尊敬感がありますが、同様なことは日本においても広く民芸その他工芸品や日用品の製作の中で、芸術性に優れた品物が日常的に普及していた歴史もあるように思われます。社会の文化レベルを表す一つの尺度として金銭的な価値でなく、こうした職人の仕事振りこそ、尊重すべきだと考えます。


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