044 Little by little man's awareness of that which he encounters expands, and clearer grows his vision till at last his conscious awareness beholds the transcendent Cause behind the Name.
044 自ら出会う中で少しずつ人の気付きは拡がり、次第に自らの視野を済ませ、その意識の気付きを成長させて遂には名前の奥の超越的因を見守るまでになります。
【解説】
本文から、人間の成長とは生涯を通じての学習により、その知覚力を深めて、因の領域にまで拡げることであると示されています。その過程は詩歌の作家のように、わずかな現象の小片から広大な宇宙の動きを感じたり、他のものとの目に見えないつながりを意識することにも類似しているものと思われます。
自らが関心を持って、様々な事象に名前をつけ、親しみ、記憶しようとすること自体は有益だということは既に述べられましたが、少しずつ気付きのレベルが深まるにつれて、遂には因の領域にまで到達できるとしています。
しかし、それをどうすれば実現できるかについては、本書は明かしていません。その解明は各自で行わなければならない訳です。山登りに例えれば、頂上に立てば素晴らしい景色が待っていることを教えることは出来ますが、そこに至る道は各自が置かれている状況に合せて各自が切り開かねばなりません。そうした試行錯誤の中で身に付けた体験こそが、次の生涯に持ち越せる自身の記憶になる筈です。
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