ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部 4章 段落362 [2010-10-29]

362 Dr. Nicholas Murray Butler once said, "All the problems of the world could be settled easily, if men were only willing to think." He might rather have said, "If men only knew how to think!" This is the great lack in our educational system of today; our young men-to-be are not taught how to think.

362 ニコラス・マレイ・バトラー博士はかつてこう言いました。「世界中の全ての問題は、人間がただ喜んで考えようとするだけで簡単に解決されるだろう。」彼はむしろ、こう言いたかったのかも知れません。「ただ人間が考える方法を知ってさえいれば」と。このことは今日の私達の教育システムにおける大きな欠陥なのです。私達の将来若者となる者が考える方法を教えられていないのです。





【解説】

本文で紹介されているニコラス・バトラー(1862-1947)は米国コロンビア大学の総長で、その平和運動への貢献から1931年にノーベル平和賞を受賞されています。残念ながら、私自身その著書を読んだことがありませんが、アダムスキー氏が引用するように、その発言には大いなる真理が示唆されていたものと思われます。

本章のタイトルでもあるThinking(思考)に対するものとして、Reasoningが設定されています。Reasoningの訳出については迷う面もありますが、現時点では「推論」としています。時に「論証」とも訳されている言葉ですが、その意味する所は「一つ一つの前提を確認した上で、結論を推論する」というようなことかと思っています。

しかしながら、本章で強調されていることは、必要なのは限られた内容の前提から出発する「推論」よりも、はるかに、自由に想念が自らの身体に流れ込む状態を作り出す「思考」が重要であることが述べられています。

およらく、鋭敏な幼児期にこのような訓練を受けることが出来れば、その人のテレパシックな能力は想像以上に発達できるということでしょう。それに対して、現代の学校での知識偏重、記憶重視の教育には欠陥があると指摘しているのです。そういう意味でも、心の中を外宇宙からの印象を自由に流れ込ませる態度が重要であり、先ずはこれまでの思考態度を見直すことが必要だということです。


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