ジョージ・アダムスキー「生命の科学」第06課 段落216 [2008-01-22]

216 We can be thankful for the small minority of people in the world that are constantly looking for something new, not satisfied to live the doctrines of the old. It is this class of people that keep agitating the majority of the minds towards the better way of life without violence but with an understanding. The masses move very slowly and if it were not for this class of people that make them listen to the new phases, they would have been extinct long ago. Decayed by the law of monotony. But the newness that the few bring to the attention of the masses keeps them going. Slowly but surely.

216 私達は昔からの教義に満足せず常に何か新しいことを探し求めている少数の人々に感謝すべきかも知れません。暴力によらず共感をもって大半の人々の心をより良い生活の方向に進むよう促し続けるのはこの部類の人々です。大衆はとてもゆっくり動くものですし、もし新しい側面について耳を傾けるよう促すこの部類の人々がいなかったら、彼等はとうの昔に消滅していたでありましょう。退屈の法則によって朽ち果ててです。しかし、大衆の注目を引き付ける新しいものは、彼等を歩み続けさせます。ゆっくりですが、確実にです。





【解説】

昨年、日本の月探査衛星「かぐや」が月の周回飛行を達成し、月面上空を周回する際の鮮明な映像が公開されました。まさに、未知なる世界の探究心を掻き立てるのが宇宙探検です。本項でいる現状に甘んじることなく、常に探究心を持って新しいものに挑戦することが人々の意識に大きな効果をもたらすことは、この「かぐや」の飛行映像を見れば良く分かります。宇宙への進出は大きな意義がある訳で、今後もこの方向で進んで行って欲しいものです。

さて、日常生活においては、各自、昨日とは異なる何かひとつでも新しいことに取組む必要性については、前回述べたところです。ここでは、かつて新聞で読んだ横尾忠則氏が「こころの玉手箱」(2006年8月25日、日本経済新聞)で書かれた画家デ・キリコに関する論評(「自由自在なスタイル 魂の解放」)を以下に紹介しましょう。

「(中略) デ・キリコのいさぎよさというか捨て身の精神は評価の定まった自作を惜しげもなく捨てて、まるで画学生のように過去の巨匠の名作の模写などを始めるところだ。成功した人間のやるべき態度ではないが、ここんところがなんといっても凄いのである。一度評価されればその上にあぐらをかいて金太郎飴みたいに記号化された作品ばかり描き続けている画家に比べると、デ・キリコのスケールの大きさはピカソに匹敵するか、場合によってはそれ以上であろう。彼の自由自在さは思考や魂の解放度によるものと思う。小さい自我の世界に閉じこもっている以上、あれほどの仕事はできない。一度ローマのキリコの家を訪ねたことがある。その時アトリエに立て掛けてあったイーゼルの裏に『自分以外の力の助けを信じる』というような意味の言葉が書かれていた。どうやら、デ・キリコの秘密がここにあるように思えた。それ以来ぼくもできるだけ小さい『私』に固執せず見えざる助力者の存在を信じることにした。」

偉大なる芸術家は皆、創造主に寄り添ってカンバスに向っているということでしょう。


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