ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第13章 段落141 [2011-07-14]

141 Religion and so-called spiritual teachings have not, in most cases, brought true realization to the heart of humanity. Some of these organizations practice rituals and affirmations which produce a temporary intoxication during the performance of the rites but tend towards a tremendous "let down" after the service has been completed. Most of the individuals attending, upon returning to their worldly pursuits revert to the old ways where the survival of the fittest attitude takes over, and man continues to take advantage of his brother instead of being his brother's keeper. In the religious sanctuary the individual feels that he would help any one according to their needs and where hate had been, there arises an emotion that is interpreted as love, but outside of the sanctuary these emotional influences change, which proves that they were nothing more or less than a form of hypnosis induced by the service that he attended.

141 宗教そしていわゆる精神主義的教えは、ほとんどの場合、人間の心の底に真の悟りをもたらしては来ませんでした。これらの組織のいくつかでは、その間だけの一時的な陶酔を作り出す儀式や宣誓を実施しますが、その礼拝が完了した後は、とてつもない「落ち込み」をもたらす傾向があります。出席している個々人のほとんどは、それぞれの世俗的追求の場に戻るや、適者生存の原理が支配する昔ながらの方式に復帰してしまい、人は自分の兄弟の後見人になる代わりに自分の兄弟を利用し続けるのです。宗教的な聖域の中では各自は必要があれば誰をも助けようと感じ、憎しみがあった所でも愛と解釈される感情が湧き起こるのですが、その聖域の外側ではこれら感情の影響は変わってしまい、自分が出席した礼拝によって誘引された催眠の形態以上の何物でもなかったことを立証するのです。





【解説】

本項では既存の宗教あるいはスピリチュアル(精神主義)といわれる組織は、多くの場合、巧みな儀式により集まった人々を催眠状態に陥れており、その結果、真の自覚(悟り)には達していないことを警告しています。この「催眠」については、今日的には「マインドコントロール」等のより、悪質なものも含まれるものと思われます。

宗教あるいは精神運動について、発足の当時は純粋なものでしたが、時間を経るにつれて、組織維持の為の収奪が始まるのが常となっています。集まった道を求める人々に道を指し示す役割を果たすべきなのですが、多くの宗教はそれ自身の維持拡張の上から集まった人達を子羊のまま留めようとしていると言えるでしょう。宗旨を拡げるために相手を時に動揺させ、またある時は理想が実現するかのような夢を見せる等して、人々を集めようとするものです。本項はこれらをある種の自己催眠だと警告しています。

真に求められている生き方とは、全ての日常の中に自分の生き方として四六時中、宇宙の英知を信頼する生き方です。以前、ある人から「自分は映画を見たりしない。そのような一時的な心の高まりは良くない」という主旨のことを話されたこと、また別の人からは「講話を聞いている内に分かった気になって涙を流すほどであったが、後から考えて見て何を分かったのか良く分からないことがある。その時、分かった気になっただけだ。」というある和尚さんの話も伺っています。

一時的な感動があったからといって、その団体や会の教えが正しいとは限らないという訳で、当たり前な程に宇宙的知性を身近に知覚することを最優先にしたいものです。


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