331 Lying dormant through the years may be a memory involving some incident (either major or minor), that happened to your parents or to a neighbor, and which was discussed in your presence when you were very young. When a suggestion relative to any of these long-forgotten memories is given under hypnosis, they became readily accessible to us; for everything we have ever read, or heard, or seen, is stored in the mind.
331 貴方がとても小さい頃、貴方の居る前で貴方の両親か隣人に起った(大きいか小さいかのいずれかの)何かの出来事に関連したある記憶が何年も休眠していたのです。催眠術下でこれら長い間忘れられていたものに関係して暗示が与えられ、それらが私達に容易に接することが出来るようになります。何故なら、私達が読み、聞き、見たもの全ては心の中に貯えられるからです。
【解説】
記憶が大切であることは言う間でもありません。認知症の人にとって、わずか前に体験したことが思い出せない(あるいは記憶されない)為に、生活上大きな支障を来す訳です。一方、その人にとって、自分が若い頃に体験した記憶はそれでも衰えることなく、明瞭に思い出すことが出来ます。これには、若い頃の活発な生命活動が体験を記憶する力が強いことを意味しています。
そもそも自分は何者であるか、何故ここに居るか等、本来、自分の過去生を知っていれば理解できるのですが、その意味ではそれらの境地に到達することは容易ではありません。私達は日常、その他より多くの事柄を覚えなければなりませんし、日々の生活を維持する上で、労働が必要とされており、皆忙しい時間を送っているからです。しかし、自分自身の正体を理解しようとすることは、忘れてはならない一点です。様々な体験を経て人間は成長する訳で、その成長の方向は自分が達成すべき方向と合致していることが望ましい訳です。
本項は催眠術下で術者の暗示をきっかけとしてあたかも自分の過去生を自ら語り出す状況について、その実状を解説している訳で、実際には、催眠術下で起ることは過去生ではなく、自分が子供の頃の体験を思い出しているのに過ぎないとしているのです。過去生に遡る記憶を甦らせるには、催眠術ではダメだと言っているのです。
第3部 3章 段落330 [2010-09-07] <<
|
>> 第3部 3章 段落332 [2010-09-09]