ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第2部 4章 段落244 [2010-04-22]

244 When you look at a fire, endeavor to see the coarser substance transformed into gaseous elements through intense friction.

244 貴方が火を見る時は、粗い物質が強烈な摩擦により、ガス状の元素に変質する様子を見ようと努力することです。





【解説】

古来より人は物質を気体、液体、固体の3相に分け、また近年ではそれにプラズマ(電離した気体)を加えて4状態に区分して来ました。科学的には水も氷も水蒸気も同じ水分子であることは知識として知っていますが、我々の日常的な感覚ではそれらは全くの別物として認識しています。

ここでは火について表面的な既存の認識を越えて、起っている本質の現象を見ようと努力することを求めています。私達は温度は分子が運動する速さであることは知っています。例えば電子レンジで食物を暖められるのは、中の水分子を高周波の電磁波で振動させるから等等です。しかし、ここでは知識を記憶するのではなく、現象の奥で起っている目に見えない微小な世界の状況に関心を持ち、自ら知覚しようと努力せよとしている訳です。

分子同士の摩擦(即ち運動)が熱となることは、ロープを伝わって勢いよく落下する際に手に火傷を負うことから実感できますし、物が燃えるという現象の背景には、物体が熱せられながら、気化し酸素と反応して更に熱を発する等、劇的な化学反応が起っているのです。

よく炎を見つめて心を落ち着かせるという話しもあり、また遠くゾロアスターの時代に火を神聖なものと崇める人々の心情の中には炎にこうした目に見えない物質変容の要素を見ていたとも考えられます。毎日、地上を照らす太陽もまた真っ暗な宇宙空間にあってその太陽系の子供達(諸惑星)を照らし、各々に暮らす生命を育む光となっている等、火の力は甚大です。本項で言う火の中に基本的な因の要素が現れていることに古代の人達も気付いていたのかも知れません。奈良東大寺二月堂のお水取りの行事等、炎が主役となる宗教行事も多いように思われます。


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