009 Our present civilization has always been awed by the ability of certain of its members to receive visions of forthcoming events, or mental impressions of incidents occurring at a distance. Not until 1885 was this enigma labeled and placed in the scientific files for investigation. In that year, the Physical Research Society through Mr. Myers, an outstanding figure in that field of investigation, issued the following statement: "We venture to introduce the word 'Telepathy' to cover all cases of impressions received at a distance without the normal operation of the recognized sense organs."
009 私達の現在の文明はこれまでも、その構成員の中に将来起る情景、或いは遠くで起っている事故の心的印象を受けるある能力を持つ構成員によっていつも畏れられて来ました。1885年以前はこの謎めいた出来事は調査の必要な科学的ファイルの中に分類され置かれることはありませんでした。その年、この分野の調査では著名な人物であるマイヤー氏を通じて物理研究協会(訳注:実際には"the Society of Psychical Research心霊研究協会"と称される学術団体であった)は以下の声明を出しました。「私達は『テレパシー』という言葉を認識されている感覚器官の平常な作用によらず、感受する全ての印象事例を指し示すものとして思いきって導入することとする。」
【解説】
本項の内容について調べたところ、"Artificial Telepathy"と称されるブログサイト(http://artificialtelepathy.blogspot.com/2006/06/history-of-telepathy-chronology-to.html)が見つかりました。そこに1950年代までにいわゆる学術的なテレパシー研究の年表が紹介されていました。内容自体の真偽については未確認ですが、本項でアダムスキー氏が述べているものと同様なことが、掲載されているので紹介しておきます。
(引用はじめ)
1882
"Telepathy" is derived from the Greek terms tele ("distant") and pathe ("occurrence" or "feeling"). The term was coined in 1882 by the French psychical researcher Fredric W. H. Myers, a founder of the Society for Psychical Research (SPR). It first appears in his article in the Proceedings of the Society of Psychical Research I, 2:147. Myers thought his term described the phenomenon better than previously used terms such as the French "communication de pensees," "thought-transference," and "thought-reading." 中略
(訳)1882年
「テレパシー」はギリシャ語の tere(「遠く離れた」)とpathe(「出来事」或いは「フィーリング」)から派生しました。その用語は1882年、心霊研究協会SPRの設立者の一人であるフランスの心霊研究者フレデリックW.H.マイヤーによって造り出されました。その用語はthe Proceedings of the Society of Psychical Research第1巻2:147における氏の記事に最初に現れています。マイヤーはその用語を以前用いられていた、フランス語の"communication de pensees,"とか「想念伝達」や「読心術」と比べて良いものとなったと述べました。
1886
The three of the founders of the Society for Psychical Research, E. Gurney, F. W. H. Myers, and F. Podmore, published the apex of their early investigations in 1886 as the two-volume work Phantasms of the Living. It was with this work that the term "telepathy" was introduced, replacing the earlier term "thought transference".
Among the 1300 pages of case histories, the book contains 149 cases of dream telepathy. Myers defined the term telepathy as "the extrasensory communication of impressions of any kind from one mind to another."
(訳)1886年
心霊研究協会の3人の設立者、E.ガーネイ、F.W.H. マイヤー及びF.ポッドモアは1886年に初期の調査の最先端結果を出版しました。それは初期の「想念伝達」という用語をテレパシーに置き換えての仕事でした。1300頁に及ぶ事例調査の中で、149の夢のテレパシー事例が含まれています。マイヤーはテレパシーという用語を「心から心への既存の感覚を超えた何らかの印象の交流」と定義しています。
(引用終わり)
以上、紹介しましたように、1885年当初はテレパシーについて、初めて熱心な学術的研究が始められた様子が分かります。しかし、その後はどうだったのでしょうか。実は上記のサイトにはいわゆる「マインドコントロール」とか「軍事利用」についての記事が多く掲載されています。以前、深海を航行する原子力潜水艦との通信にテレパシーが使われたとか言う記事を見たこともありましたが、実際には、テレパシーを攻撃の道具として使おう等という取組みが行われる時代になって来ているようなのです。そういう意味では、ますます本来のテレパシー研究から離れた実状がわかった次第です。
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